野菜の研究で地域振興。 ―在来種の野菜を地域の「ブランド野菜」へ― 【環境園芸学科】陳 蘭庄 教授

宮崎在来野菜「糸巻き大根」の品種改良を行っています。2007年、原産地の西米良村に出向いたところ、長年の自然交配により大根の形状が著しく不揃いで出荷不能ということがわかりました。そこで取組みとして1)DNA比較によって近隣県の大根との交配がないことを確認。2)独自の基準で「糸巻き大根」を3グループ13系統に分類。3)集団選抜法による良い系統を選抜、を行いました。そして、2020年3月には「南九パープルNo.1号」と「南九ホワイトNo.2号」を品種登録出願しました。

先生よりこの研究に興味のあるキミへ!

果物が好きで、大学入試時の第1志望は果樹園芸学でしたが力及ばず、野菜園芸学専攻となり、「野菜好きになってみせる!」と覚悟を決めました。野菜は種類も多く、食べると美味しく、栽培サイクルも品種育成も短期ですみ、室内外の研究にも使いやすい。一層夢中になって野菜の馬鹿(博士)になりました。
南九州大学に赴任した頃、友人に宮崎在来野菜を勧められ、非常に共感しました。新品種ができたら地元に還元し、在来野菜の復活と地域振興に貢献することを約束して15年以上。延べ100名以上の専攻生と大学院生が研究テーマとして取り組んでくれました。