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南九州大学地域連携公開講座「野鳥とのふれあいで宮崎の自然を学ぶ in 御池」を実施しました

 令和4年度南九州大学「地域連携公開講座」の一環として、「日本野鳥の会宮崎県支部(支部長 岩切 久様)」と連携し、宮崎に生息する野鳥や自然環境、健康に関する座学及び屋外観察を行う「野鳥とのふれあいで宮崎の自然を学ぶ in 御池」を、以下のとおり実施しました。

日時:令和4年11月19日(土)9:00~14:30
会場:霧島錦江湾国立公園 御池野鳥の森公園キャンプ村(宮崎県西諸県郡高原町)
   座学:同キャンプ村内 自然体験工作館
参加者:43人(うち、小学生2人)

 本学担当者および日本野鳥の会宮崎県支部長 岩切 久様の挨拶のあと、スライドや資料をもとに、宮崎の自然や野鳥に関する3つの講話がありました。

座学1.「鳥のトリヴィア カラスの生態について」
講師 日本野鳥の会宮崎県支部 森本誠二 様

主な内容
 ①カラスの種類(ハシボソガラスとハシブトガラス)とその見分け方。歩き方・鳴き方の特徴
 ②カラスの名前や漢字(烏・鴉)の由来・神話に出てくるカラス。
 ③カラスはゴミを分別している;ごみ袋を破って中身を引っ張り出すのは野生の状態で内臓を食べる行為と同じで、食えるものと食えないものに分別している!
 ④カラスは肉類や油類を好むが、腐敗した肉は好きではない。マヨネーズが大好物。
 ⑤カラスは最強の鳥;カラスは「雑食」だから生きる力が強い。
 ⑥カラスは、1931年に制定されたJFA(日本サッカー協会)のシンボルマーク。「八咫烏(ヤタガラス)」は勝利のシンボル!

座学2.「御池で観察できる四季の野鳥」
講師 日本野鳥の会宮崎県支部 上谷川則男 様

主な内容
 ①御池にいる多様な四季の野鳥について。コシジロヤマドリ・アオバト・ヤイロチョウなど。
 ②アカショウビン・・・サワガニなどカニ類を捕食する。昔に比べ数が減っている。
 ③オオルリ・・・日本の三鳴鳥の一つ。鳴き声が大変美しい。
 ④ヤマセミ・・・頭の冠羽が特徴的な魚食性の鳥。斜面に穴を掘り巣を作る。
 ⑤国設の野鳥の森が日本には4つあり、御池はその中の一つ。貴重な自然。ほかには「軽井沢野鳥の森(昭和49年)」など

座学3.「バードウォッチングと健康法」
講師 南九州大学健康栄養学部教授 渡邉純子

主な内容
 バードウォッチングが体と心の健康によい理由として、
 ① 観察のため、ゆっくり歩く(1時間当たり約3000歩;通常歩行の半分)
 ② 朝の光と朝食の摂取(体内時計の働きを促す)
 ③ 自然の音や鳥の声(1/fゆらぎ、高周波、セロトニン;抗ストレスホルモンの分泌)
 ④ リフレッシュ(植物が発する「フィトンチッド」によりストレスホルモン「コルチゾール」減少、免疫力向上;ナチュラルキラー細胞の活性化)
 ⑤ 人との交流(社会的なつながりが増え、認知症発症リスク低減に役立つ)などがあげられた。

「霧島錦江湾国立公園 御池野鳥の森公園」
・高千穂峰(1574m)山ろくにあり、広さ115haの中に周囲4km、水深103mの霧島山系最大の火口湖、御地を含む。
・昭和47年に国指定の野鳥の森として全国に先がけてオープン。現在、野鳥の森は国内に4つだけ。貴重な自然の宝庫。 (高原町H.P)

写真提供:日本野鳥の会宮崎県支部

 あいにくの雨にも関わらず、会場には自然や野鳥に関心のある老若男女多数の参加があり、野鳥の生態や能力、環境問題・健康問題との関わりなど、幅広い話題に熱心に聞き入っていました。また、つかの間の屋外観察にも積極的に楽しんでいる姿が印象的でした。終了後のアンケートには以下の感想・意見が寄せられました。

・私は鳥にはあまり明るくなかったが、今日の南九州大学公開講座を受けて鳥に対する興味がわいてきた。特にカラスのトリビアは大変面白かった。カラスはグルメであり生ごみを餌とするときは、「分別」して食べていることなど新たな知見を得られた。

・身近な鳥であるカラスのことが詳しく知れた。カラスを見る目が変わった。

・いつもいやなカラスと思っていましたが、今日の説明を聞いて見方・考え方を変え、観察していきたい。

・御池は全国に4つある国設野鳥の森の一つであることを初めて知った。ここ数十年で森の中が様変わりしたことは残念。ヤイロチョウの話しや生態に関する映像が素晴らしかった。

・御池の自然・宮崎、わが郷土の素晴らしさに気づかせてもらいました。

・町内に住んでいて、まだまだ御池や鳥の魅力に無関心であったことに反省しました。

・バードウォッチングはなぜ心によいのか、癒されるだけでなく、実際に体内物質に影響があるということを知ることができた。

・バードウォッチングが体の健康につながることはある程度わかっていたが、心にまで良い影響があるのは驚いた。鳥を見ながら健康を維持しよう!

・まさにバードウォッチングは心の健康と大きく関わりがあると考えていた!そこに栄養学の観点からの話しは面白かった。朝食が大事!!

・特定の食べ物で健康の維持ができないこと。

・食とバードウォッチングのつながり。今日の話を今後に役立てたいです。

・特定の食べ物で健康は維持できないこと~雑食で体づくり~を学べました。

・健康法として、バードウォッチングを行うことの良いこと、つくづく実感した。

・会場の照明、マイク音声、暖房(雨で寒かったので)がもう少し整備されていたら良かった。

南九州大学公開講座で、このような楽しい時間を作ってくださってありがとうございました。

来年もぜひ企画をお願いします。

このような公開講座が定期的に開かれることで、より身近な自然への関心が高まることはよいことだと思います。これからもぜひ続けてください。スタッフの皆さま、ありがとうございました。雨で気温が低く寒かったのですが、温かい飲み物で体もポカポカでした。

 南九州大学地域連携公開講座については、「大変満足」18人、「やや満足」13人、「わからない・無回答」各1人で、地域の関連団体と連携した公開講座に肯定的な意見や感想が多く、大学の学部・学科に関する質問も寄せられ、本学の取組みに対する理解・関心が深まったようです。