食品開発科学科 大学院研究科
食品開発科学科の長田教授、大学院生の内田丈聖さんの研究成果が業界技術雑誌に掲載されました。
健康栄養学部食品開発科学科と宮崎県農協果汁株式会社が共同で研究した「低酸性ニンジンジュースにおけるショ糖脂肪酸エステルの静菌効果と加熱殺菌条件」が(公社)日本缶詰ビン詰レトルト食品協会の缶詰時報Vol101,No7に掲載されました。
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論文(概要)
低酸性ニンジンジュースの製造においてGeobacillus stearothermophilusを加熱殺菌の指標とし, 現行の加熱殺菌条件の妥当性を評価した。また,乳化剤添加による静菌作用について調査し,加熱殺菌と乳化剤の静菌効果を組み合わせた殺菌方法についても考察した。
- 供試7株のうち, 最も耐熱性値が高かったのは供試1005株であり, M/15リン酸緩衝液(pH7.0)中での耐熱性はD121℃値が2.5分, z値は7.0℃であった。
- 供試1005株芽胞のニンジンジュース(pH7.0)中での耐熱性値はD121℃値が2.7分, z値は10.8℃であり, F121℃値は 13.5分に相当した。製品の加熱殺菌条件は, F121℃値が14.7分で,1005株を殺菌するのに十分であり,乳化剤の添加は不要であった。
- 乳化剤添加による供試1005株芽胞の静菌効果については, 10¹オーダーでは1,800ppm, 10²~10⁴オーダーは2,000ppmの乳化剤添加で効果が認められた。これより, 加熱殺菌と乳化剤の添加を組み合わせた場合,製品に乳化剤2,000ppmを添加し,120℃,4分相当の加熱殺菌をすることが可能となる。
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