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管理栄養学科 地域貢献

地域連携型卒業研究の報告会を実施しました

管理栄養学科「栄養教育論研究室」では、行動科学の理論に基づきライフステージにそった課題解決のための行動変容について研究しています。今年度の卒業研究は、宮崎市にある「明星幼稚園」様と連携し、「幼児期の食事・生活習慣に基づいた栄養教育に関する研究」を行いました。

幼児と保護者52組を対象とした質問紙調査により、子どもの食事・生活習慣、育児に対する保護者の悩みについて現状把握をした上で、1)親子の食事への関心が高まることを目標とした食育教室「みそ汁をつくろう」、2)食事の好き嫌いを決めつけず食育の機会と捉えることを目標とした食育教室「カラフル焼き」、3)保護者同士の交流を通じて行動変容を促すことを目標とした保護者対象「食育座談会:好き嫌いについて語ろう会」において栄養教育・事後アンケートを実施し、結果をまとめました。卒業研究報告会は幼稚園を会場として行い、園長先生をはじめ先生方から直接、助言や感想をいただきました。 1)では、自宅でみそ汁を週4回以上飲む家庭の割合が47%→73%に増え、親子間や園児同士の味噌汁に関連する会話が増えました。2)では好き嫌いの有無に関係なく園児は積極的に食育教室に参加することが観察され、話を聞いた保護者の7割に意識や行動の変化がありました。3)では座談会参加後、保護者の8割に不安や悩みの軽減がみられ、「悩んでいるのは自分だけではないと思えた。」「やはり好き嫌いは長い目で見るべきだと改めて認識した。」など、保護者の行動(考え方・感情・行為)に変化がみられました。

今回の栄養教育マネジメントサイクルに沿った実態調査や栄養教育の実施を通して、意識・行動変容の難しさや、定期的かつ継続的な栄養教育の重要性、また、幼児期などのライフステージでは大人(保護者や保育者)のサポートが不可欠であり、その環境などに左右されやすい事などが伺えました。
研究報告を行った4年生6人は、「地域の機関と連携した幼児期の栄養教育マネジメントに関する研究を終えてほっとしている。今後、専門職として、対象者の立場や置かれている環境を考慮した支援に生かしていきたい」と達成感と今後への抱負を話していました。「明星幼稚園」様、保護者の皆様のご協力に深く感謝いたします。