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管理栄養学科 地域貢献

「時間栄養学から肥満症予防を考える」をテーマに出口講師が講演しました

 2023年3月4日(土)、第1回世界肥満デー関連市民公開講座がシーガイア・コンベンションセンターにて開催され、出口佳奈絵講師(管理栄養学科・応用栄養学研究室)が『いつ食べる 何を食べるか 脱肥満』と題して講演を行いました。

 ※「第1回世界肥満デー関連市民公開講座」講演プログラムは、こちら〔PDF〕をご参照ください。

時間栄養学から肥満症予防を考える

生活習慣病の元凶である肥満の予防対策と改善方法を時間栄養学の視点から考えてみました。

 体脂肪が増大すると健康の敵である活性酸素は増加します。この活性酸素が体内で増加すると脂肪合成は促進されます。
 このことから日常の食材を使用して抗酸化作用の実験を行いました。

実験のアシスタントは管理栄養学科2年生の杉尾友香さん

 次に活性酸素を退治するトマトのリコピンは、1日3食の“いつ”摂取するとよいかを実験動物のラットで調べました。なんと・・・朝トマト群では血中のリコピンが著しく増え、肥満予防に有効です。


 体脂肪の燃焼には有酸素運動が有効です。酸素不足の貧血は肥満の原因になります。このことから、食事性鉄分を“いつ”摂取するとよいか、同時にどんなタンパク質を組み合わせるとより効果的かを動物実験で調べました。鉄分の摂取だけでは十分な効果がなく、むしろプロテインスコアの高いカゼインを朝食に相当する時刻に食べると門脈血中の鉄濃度が著しく増加しました。
 したがって、健康づくりだけでなく、朝食に鉄分と良質タンパク質を一緒に食べると貧血予防に伴う肥満対策に発展します。


 体脂肪の燃焼において赤筋(ミトコンドリアの多い)グリコーゲンが重要です。規則正しい1日3食であれば、有酸素運動に不可欠な赤筋グリコーゲンは必要量だけ合成されます。一方、夜食など不規則な食生活では赤筋グリコーゲンが不足気味です。
 不規則な食生活が続くと好気的エネルギー代謝は損われ、むしろ脂肪合成が促進して肥満にまっしぐらです。

体脂肪は持久力の赤筋で燃焼する