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環境園芸学科 大学院研究科 国際交流(国際貢献)

昆虫折り紙も大盛況!国際昆虫学会議 ICE2024で研究発表

国際昆虫学会議 ICE2024に参加

2024年8月25日から30日の6日間、京都で国際昆虫学会議(International Congress of Entomology:ICE2024)が開催されました。ICEは、4年に一度オリンピックの年に合わせて開かれる世界最大級の昆虫学の国際会議で、今回のICE2024は44年ぶりの日本開催です。世界中から約4000人の昆虫学者が集結し、最新の研究成果を発表し合いました。

南九州大学の参加メンバーと研究発表

南九州大学環境園芸学部の昆虫生態学研究室から、新谷喜紀教授、大学院生の野間将義さん、学部4年生の小森崇聖さん、卒業生の寺尾美里さん(現技術職員)の4名が参加し、以下の研究を発表しました。なお、国際会議のため発表はすべて英語で行われました。
(共同研究者名は省略しています)

  • 野間将義さん(大学院2年生)
    Life history of Tachina nupta (Diptera: Tachinidae), which parasitizes lepidopteran larvae by ‘waiting for host passing’
    (待機によってチョウ目の幼虫に寄生するセスジハリバエの生活史)

 

  • 小森崇聖さん(学部4年生)
    Life-history traits of an indigenous egg parasitoid wasp Telenomus remus, a promising natural enemy against Spodoptera frugiperda in mainland Japan
    (ツマジロクサヨトウに対する有望な卵寄生蜂Telenomus remusの生活史形質)

 

  • 新谷喜紀教授
    Maladaptive photoperiodic response observed in a range-expanding moth Milionia basalis pryeri in southern Kyushu, Japan
    (南九州地方における分布拡大中のキオビエダシャクで観察される光周反応の適応不全)

 

  • 寺尾美里さん(卒業生・現技術職員)
    Geographic variation in photoperiodic response for induction of pseudopupal diapause by precocious metamorphosis in the bean blister beetle, Epicauta gorhami
    (マメハンミョウにおける早熟変態による擬蛹休眠の誘導における地理的変異)

大盛況の「昆虫折り紙」コーナー

ICEのような大きな国際学会では、研究発表だけでなく、国際交流を目的とした種々のイベントが開催されます。
南九州大学のメンバーは、日本文化を広めるため「折り紙コーナー」を開催しました。これは、新谷教授が折り紙の特技としていることから、ICEの組織委員会から依頼され、折り紙の作品の展示や体験を提供するイベントです。

[ニュースリリース]国際昆虫学会議で折り紙作品の特別展示

8月27日、国際会議の3日目にメインホール近くで折り紙コーナーを設置し、参加者は昆虫をテーマにした作品を見たり、実際に折り紙を折って体験しました。カラフルで精巧な作品は参加者の注目を集め、会場は「Wonderful!」「Beautiful!」「Amazing!」などの感嘆の声と共に写真を撮る人で賑わいました。折り紙体験コーナーは常に満席で、学生たちは研究の話を交えながら折り紙を教え、交流を深めました。このイベント開催にあたり、寺尾美里さんは、新谷教授の作品展示に必要な物品の準備や、折り紙体験の企画など、裏方として重要な役割を果たしました。

好評につき追加開催されました

好評につき、折り紙コーナーは急遽翌日にも開催され、国内外から多くの研究者が折り紙を楽しみました。折り紙を通じた交流は、学会の研究発表とは異なる新たなつながりを生み出しました。

SNSで世界へ拡散中

この折り紙コーナーの様子はSNSでも大きな反響を呼び、世界中の参加者が写真や感想を投稿しています。「#ICE2024」「#ice2024kyoto」などのハッシュタグと共に、カラフルな折り紙作品や折り紙体験の様子が次々とシェアされ、拡散されています。

学生の感想

  • 野間将義さん(大学院2年生)
    「ICE2024では、発表者がそれぞれ誇りや自信に満ちており、会場は熱気で溢れかえっていました。そして自分も発表者の一人であり今まで研究してきたことを自信をもって発表しました。国や文化の垣根を越えて「昆虫学(Entomology)」で通じ合えたことに非常に感動しました。国際学会ということもあり幅広い研究分野(昆虫食、防除、医療、分類、更にはなんと折り紙まで)の発表や企画はどれも興味深かったです。これからの研究において大きなモチベーションになりました。」

 

  • 小森崇聖さん(学部4年生)
    「ICE2024に参加して、非常に大きな刺激を受けました。多くの外国人研究者と交流を深め、ポスター発表の際には多くのアドバイスをいただきました。また、改めて英語の大切さを認識しました。現在取り組んでいる研究と英語学習に一層精を出して、4年後に南アフリカで開催されるICE2028に臨みたいです。」

学会を通じた貴重な経験

今回のICE2024参加は、研究発表だけでなく、折り紙を通じた文化交流にも貢献することができました。このような貴重な体験を通じて、南九州大学のメンバーは国際的な交流を深めることができました。