食品開発科学科 大学院研究科
DX機器で応用研究!JCAとの共同研究の発表
DX機器を活用して果実缶詰の賞味期限評価に挑む
南九州大学と日本缶詰協会の共同研究
南九州大学大学院 園芸学・食品科学研究科(黒木思音、長田隆)と、(公社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会研究所 (JCA)食品化学研究室による共同研究「果実シラップ漬缶詰の加速試験について」の研究成果が発表されました。
(果実シラップ漬缶詰:フルーツを甘い液体(シラップ)と一緒に缶詰にした保存食品)
この研究では、味認識装置「TS-5000Z」(㈱インテリジェントセンサーテクノロジー)を用いて、果実シラップ漬缶詰の賞味期限を評価できる可能性について検討しました。さらに、味覚測定の結果から品質劣化の速度を予測することも試みました。
(賞味期限の評価:食品がどれくらいの期間、品質を保てるかを科学的に調べること)
味認識装置
味認識装置は、従来の化学分析では検知不可能だった味の違いを検出する装置です。生体味覚受容メカニズムを模倣した人工の”脂質膜”(人間の舌と同様)で構成されている味覚センサーによって、食品、飲料、医薬品の総合的な味を容易に評価(数値化)できます。
本装置は、南九州大学が補助金を活用して導入したDX機器で、食品研究のさらなる発展を目指して使用されています。
研究の結果と今後の展望
今回の研究では、味認識装置を活用した果実缶詰の賞味期限評価には課題が残る結果となりました。しかし、この技術を他の製品に応用する可能性が期待されており、今後もさまざまな製品を対象に研究を続けていく予定です。
本研究の詳細は、「第73回技術大会研究発表論文要旨集」(缶詰時報2024年10月号)に掲載されています。今後の進展が楽しみな研究テーマです。
(PDFファイル)
「第73回技術大会研究発表論文要旨集(缶詰時報2024年10月号掲載)より」