環境園芸学科 地域貢献
南九大発の新黒皮かぼちゃ「南九ブラックボール」〝秋作〟収穫
南九大発の黒皮かぼちゃ新品種「南九ブラックボールNo.3」収穫祭を開催
本学発の黒皮かぼちゃの新品種「南九ブラックボールNo.3」(NBB)の今年2回目となる収穫会が11月29日、宮崎市の畑で開かれました。農家や自治体関係者など約30人が参加し、収穫体験や糖度測定、試食会など五感をフルに使って、NBBへの理解を深めました。
会場の様子は、各種メディアにも取り上げられました。
厳しい自然環境の中での試験栽培
見学会は、秋作の試験栽培に初挑戦した、宮崎市山崎町の杉田浩昭さんの畑で開催。
まずは、NBBの開発者で、環境園芸学科の陳蘭庄教授(蔬菜園芸学研究室)が、今回杉田さんが取り組んだ試験栽培を振り返り、解説を行いました。
今年は例年にない酷暑や長雨が続きました。杉田さんの畑も、9月に定植した苗の大半が暑さによって枯れ、また、定植できた苗も次第に葉が枯れてしまうなど、想定外の事態に見舞われました。その後、何とか実った果実も強烈な日差しによって〝やけど〟状態となり、一部の果実が、黄色く変わってしまったものもありました。
大変厳しい自然環境下での栽培を余儀なくされた杉田さんは、陳教授と情報交換しながら、枯れた苗の後にもう一度種をまき、栽培を続行。その後、次第に気候が穏やかになる中で、順調に生育し、無事、収穫の日を迎えることができました。
参加者の感想と体験
説明を聞いた参加者はその後、それぞれNBBを収穫。1本のつるから、黒に近い濃緑色のNBBの果実が2、3個同時に連続着果している様子を写真に撮ったり、杉田さんや陳教授に、熱心に質問したりする姿も見られました。また、即席で糖度測定も実施。ミニトマトなどと同程度の10度以上が測定され、参加者からは驚きの声が上がっていました。
作業の後は、NBBの果実、花や葉などを使った天ぷら、炒め物などの料理が振る舞われ、NBBのねっとりとした舌触り、優しい甘さを堪能していました。
NBBへの期待
苦難が多い中、無事に収穫の日を迎えた杉田さん。「実もたくさん付き、定植後は手間もあまりかからなかった。挑戦する価値はあると思います」と手ごたえを感じているようでした。
今後の課題と展望
秋作の試験栽培では、定植時期の問題など、春作とは異なる課題も見つかりましたが、「結実率の高さ」、「高収量」、良好な味わいなど、NBB本来の特徴も改めて確認できました。
陳教授は、「黒皮かぼちゃの後継種としてNBBが実装生産できるように、また、地域を代表する新ブランドとして成長できるよう、今後も研究を継続していきたい」と話していました。