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食品開発科学科

チョウザメの可能性を広げる研究が助成採択(G-7奨学財団)

南九州大学 食品開発科学科の永田さやか准教授食品機能利用学研究室)の研究課題が、公益財団法人G-7奨学財団の研究開発助成事業(水産系)に採択されました


◆研究テーマ:「チョウザメ臓器の廃棄削減を目指した機能性ペプチドの探索」

研究の背景

本研究の〝主人公〟は、高級食材「キャビア」の生産を目的に養殖されているチョウザメです。チョウザメは近年、採卵コストを下げるため「全メス化」の研究が進められています。その結果、魚卵だけでなく、チョウザメの身も食用や加工品としての価値が高まっています。

しかし、その一方で、魚卵や身以外の臓器のほとんどは可食部として利用されず、廃棄されているのが現状です。

研究の目的

本研究では、これまで廃棄されてきたチョウザメの臓器に注目し、健康食品や医薬品にも応用されている「機能性ペプチド」の探索を行います。
機能性ペプチドは、血圧を下げたり、カルシウムの吸収を助けたりするなど、多彩な作用が期待される成分です。

本研究を足掛かりに、将来的にはチョウザメの臓器といった食品廃棄物から発見した機能性ペプチドが、保健機能食品や医薬品の開発へつながっていくことが期待されています。また、現代社会の大きな課題でもある食品廃棄物の削減だけでなく、健康増進や疾病治癒・予防、生産者の新たな収入源確保など、生産と医療、生産者と消費者、患者をつなぐ、循環型の新しい産業としても、発展させていきたいと考えています。

解説図