食品開発科学科
長田准教授の原著論文「生中華めんの長期保存に必要なエタノール濃度と製造工程」が学会誌に掲載されました
健康栄養学部食品開発科学科の長田隆准教授(食品安全学研究室)が株式会社久保田麺業と共同で研究してきた、生中華めんの長期保存性に関する研究が、日本防菌防黴学会誌Vol49,No11に掲載されました。
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論文(概要)
めん類には、生めん類、乾めん類、即席めん類、マカロニ類がある。
生めん類には、生めん、ゆでめん、むしめんに分けられ、様々な製品が市販されている。製造工程で乾燥処理しないものは全て生めんに分類されるが、ゆでめんやむしめんに比べて流通範囲が広いことから長期保存性が求められている。最近では、生めんのおいしさと乾めんの保存性の両面を備えためんがお土産ものとして注目されており、その多くが賞味期限3ヶ月程度に設定されている。このような製品も生めんの分類に入る。これら生めんは、一般的にエタノールをめんに練り込むことにより保存性が向上するため、最適なエタノール濃度を設定することは重要である。しかし、生中華めんの保存性を向上させるエタノール濃度は、半生めんやチルド生めんに関する報告はあるが長期保存可能な生めんや生中華めんの報告はない。そこで本研究では、市販されている生中華めんのエタノール濃度と微生物汚染度の実態調査を行い、各種エタノール濃度に対する微生物の静菌効果を明らかにし、さらに揮発して濃度が変化しやすいエタノールの製造工程における管理の注意点について考察した。
さらに、本研究は生中華めんのHACCPプランを設計する上で、重要な工程となり得るエタノール添加濃度についての根拠にもなる。
(補足)
株式会社久保田麺業(本社:香川県)創業70年を超える老舗の食品企業であり、海外(ヨーロッパ)での国際貿易にも取り組まれ、今後の展開が期待されるグローバル企業です。
現在FSSC22000の取得を目指しており、食品安全学研究室もサポートしています。
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