子ども教育学科
南九探究クラブ in 綾「科学実験教室 わくわくカラーワールド 2021」を開催
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no1-thumb-350xauto-9913.jpg)
南九州大学と連携協定を結ぶ綾町のユネスコエコパークセンターで、小学生を対象とした科学実験教室「わくわくカラーワールド」 を開催しました。
この実験教室は、綾町・南九州大学連携事業「綾町ユネスコエコパークにおける探究をベースとしたESDの実践」の一環として人間発達学部の理科教育研究室(遠藤研究室)と環境教育センターが主催したものです。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no2-thumb-350xauto-9916.jpg)
昨年に引き続き、2回目となる実験教室は「探究する楽しさ」を子どもたちが体感しながら「探究する手順」を身に付けることを主なねらいとしています。
なぜなら….みなさん、ご存知の通り文部科学省は「知識偏重」から「問題解決力育成」に、教育を大きくシフトさせました。すでに、大学入試も応用力を測る共通テストに変わっていますよね。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no3-thumb-350xauto-9914.jpg)
問題解決力や応用力を育むために「探究」は不可欠です。ただし、その指導は簡単ではありません。
ですから、この実験教室では、小学校や保育園、幼稚園など教員・保育士を志望する学生たちが、これからの先生に求められる「探究の指導法」を、実践的に学ぶ場としても設定されています。そこでは、学生たちがプランニングから運営、実践に主体的に取り組みます。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no4-thumb-350xauto-9912.jpg)
さて、実験教室ですが…..
最初のミッションは、
「塩水はどっちだ!」
教室には保護者も一緒に参加しますが、横で静かに見守るようにお願いしています。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no5-thumb-350xauto-9918.jpg)
なんとか見分けようと、子ども達は食い入るような目で2つのビーカーを見比べますが…..
簡単には違いはわかりません。 そこで作戦を考えます。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no6-thumb-350xauto-9923.jpg)
ペットボトルに入れて振ってみたり…..
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no7-thumb-350xauto-9920.jpg)
葉っぱを浮かべてみたり…..
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no8-thumb-350xauto-9919.jpg)
重さを比べてみたり……
ん~、こっちの方がちょっと重いぞ
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no9-thumb-350xauto-9921.jpg)
「そうだ!」突然、一人の子が叫びました
「フライパンで温めればわかるよ!」
「どうして?」、学生が尋ねます。
「だってお父さんが塩水をフライパンであぶっていたら塩がでてきたから..」
早速、やってみると….「塩だぁ!」
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no10-thumb-350xauto-9922.jpg)
最初のミッションをクリアして塩水が同じ量の水より重いことを知った子どもたち
その知識を生かして、つづいてのミッション…
「虹をつくれ!」
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no11-thumb-350xauto-9924.jpg)
濃度の異なる、いろいろな色の塩水を順番に入れていきます。
色が混じらないように、慎重に…….
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no12-thumb-350xauto-9928.jpg)
慎重に…….
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no13-thumb-350xauto-9925.jpg)
慎重に…….
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/f9088465d7ff3fdfb94ce4fea92a9e01a66f2f23-thumb-350xauto-9927.jpg)
全集中!
これは「没頭状態」や「フロー体験」といわれ「探究」や「主体的学び」のバロメーターのひとつとなります。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/7f3fe4dcc063ff15f3ce52dd546fc814ea6f49ed-thumb-350xauto-9926.jpg)
徐々に、色が重なり合って…….
きれいな虹ができあがります
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/c2e19e8d649204150e45e59573636c8d7add1974-thumb-350xauto-9929.jpg)
ここでも見事な虹が….
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no17-thumb-350xauto-9931.jpg)
参加した保護者も……
こちらはプロ級の腕前。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no18-thumb-350xauto-9930.jpg)
ミッション終了!
それぞれの虹の完成です。
子どもたちは、はしゃいだり、集中したりと、思う存分実験教室を楽しみながら学びを深めたことでしょう
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/e1413dba9c0faf492c770e42b4307c4ff940098b-thumb-350xauto-9933.jpg)
この間、学生たちは、探究の邪魔をしないよう言葉を選び、働きかけをします。
何気なくやっているようにみえますが、これが、結構むずかしいんです。
これからの先生の役割は「ティーチャー」から「ファシリテーター」に変わると言われています。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no20-thumb-350xauto-9934.jpg)
ファシリテーターの役割は子どもの学びを活性化させて、子どもの「問題解決力」を育むこと。
失敗しないようにと、口や手を出すのでなくときには見守ることが大切です。
うまくいかないときこそ
「学びのチャンス」なのですから…
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/011267bef9d45a2369f97a1cc76f60230b133949-thumb-350xauto-9932.jpg)
実は、学生たちにも小さなピンチがありました。
想定外に、低学年の参加が多かったのです
しかし、学生たちは前日夜に緊急会議を開き、見事に修正を加え当日を迎えることができました。
打ち合わせや準備を重ね、実験教室の目的を全員で共有できていたから可能になったのでしょう。「主体的、対話的な深い学び」がここにあります。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no22-thumb-350xauto-9935.jpg)
「なぜ塩水なの?」「ミョウバンを使うと….?」
子どもたちが見つけた次の課題は、自由研究の探究課題にもできそうですね。
保護者からは、
「家に帰ってもやりたいと言い出すと思う」
「遊びの延長で学習していて集中力もすごい」
「普段の学習ではみられない表情だった」
というコメントをいただきました。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no23-thumb-350xauto-9917.jpg)
これらのコメントや子どもたちの様子から、
- 一過性の体験でなく探究の導入となった
- 実験教室と学習が結びついた
- そして何より探究的学びが楽しい
といったことが読み取れます。
どうやら、子どもと学生の「探究力」を高める、
今回の実験教室の目的は概ね達成できたようです。
![](/wp/wp-content/uploads/2022/02/no24-thumb-350xauto-9915.jpg)
実験教室が終わると、学生たちは対話を通して、すぐに振り返りと課題の洗い出し、修正点の確認をしていました。
「よりよい探究の指導法」を求めて、
学生たちの探究はまだまだつづきます。
7月には「自由研究相談会」も綾町で開催決定!
楽しみにしていてくださいね。